
『時を超えた美しさ、コッツウォルズの村々を巡る』土橋館長の英国散歩シリーズ

コッツウォルズの村々を巡ります。まるで時間が止まったかのような、美しい風景に心奪われるような至福の時間です。

▪️「英国で最も美しい村」バイブリー
まず訪れたのは、詩人ウィリアム・モリスが「英国で最も美しい村」と称したバイブリー(Bibury)です。
土橋がコッツウォルズに行く時には必ず立ち寄ります。
この村の象徴である「アーリントン・ロウ」は、14世紀に建てられた石造りの家々が並ぶ、まさに絵葉書のような風景。

これらの建物は、コッツウォルズ特有の蜂蜜色の石、コッツウォルズ・ストーンで造られています。この石は、建物の壁や屋根に温かみと独特の風合いを与え、長い年月を経てさらにその美しさを増しています。

アンティークの世界でも、年代を経た素材が持つ重厚感や歴史的な価値は非常に重要ですが、この村の建物もまた、時を超えた美しさという共通の価値観を持っているのです。


バイブリーでは、最近オープンして大人気になっているEleven(https://www.elevenbibury.com)でランチをいただきました。古い建物とモダンなデザインを融合させたインテリアに囲まれ、地元の食材を活かした料理を堪能することができました。


特に印象的だったのは、丁寧に調理されたお魚料理と、食後のデザートとしていただいた自家製ケーキです。落ち着いた雰囲気の中、ゆったりとした時間を過ごすことができ、午後の散策への活力を養うことができました。

▪️「コッツウォルズのベニス」ボートン・オン・ザ・ウォーター
続いて訪れたのは、ウィンドラッシュ川が村の中心を流れる、ボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton-on-the-Water)です。

まさに土橋一推しの村です。川に架かる可愛らしい石造りの橋がいくつもあり、「コッツウォルズのベニス」と呼ばれるのも納得です。

ここには可愛らしいアンティークショップがいくつかあります。ショーケースに並ぶ銀食器や陶磁器、古書や家具の一つひとつが、英国の豊かな歴史と文化を物語っています。



▪️コッツウォルズの食文化
村の小さなティールームで地元の食材をふんだんに使った伝統的な英国料理や、香り高い紅茶とスコーンは、この美しい風景の中でいただくことで、より一層美味しく感じられます。
特におススメは温かいスコーンにクロテッドクリームとジャムを添えた、素朴でありながらも洗練された「クリームティー」です。使われている器も、歴史ある窯元で焼かれたものだったり、アンティークのものだったりと、ここにも英国の文化と歴史が息づいています。
コッツウォルズの村々は、単に美しいだけではありません。何世紀にもわたる人々の営みと、それを支えてきた建物や文化が、今もなお大切に守り継がれています。
次回は、壮麗なる歴史の舞台、「スードリー城」を訪問しますので、どうぞお楽しみに!
英国アンティーク博物館BAM鎌倉
館長 土橋正臣