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ヴィクトリア時代とは?

ヴィクトリア時代(1837–1901)は、イギリスが最も繁栄し、文化や産業、芸術が大きく花開いた時代です。女王ヴィクトリアの治世により、帝国の領土拡大と産業革命による社会変革が進みました。中流階級の台頭により、生活様式や価値観が変わりました。建築や家具にはゴシックやロココなど多様な様式が融合し、華やかで細密なデザインが好まれました。また文学ではディケンズやコナン・ドイルが登場し、人々の想像をかき立てました。BAM鎌倉では、この時代を象徴するアンティークの数々を通して、ヴィクトリア朝の美意識と精神を体感いただけます。

- Victorian Antiques -

BAM鎌倉では、ヴィクトリア時代を象徴するアンティークをご覧いただけます。英国王室御用達のピアノや巨大な蓄音機は、当時の豊かな音楽文化を物語ります。また、紳士の嗜みとして流行した嗅ぎタバコ入れ「スナッフマル」には、スコットランド伝統の美意識が宿ります。さらに、世界初の郵便切手「ペニー・ブラック」や、ヴィクトリア女王の治世を記念して鋳造されたコインは、社会制度や帝国の栄華を伝える貴重な史料です。華やかで奥深い当時の息吹を感じ取っていただけます。

- Antique Furniture -

ヴィクトリア時代の家具は、多様な様式を復興させた点に特徴があります。気品あふれる長椅子「セティ」や、装飾と収納を兼ねた「シフォニア」、曲線が優美な「キドニーテーブル」、折畳式の「サザーランドテーブル」などが展示されています。当時の家具は、荘厳さを強調するゴシックリバイバル、優雅なロココといった様式を融合し、住空間に多彩な表情を与えました。暖炉やマホガニー製キャビネットもまた、室内を格式高く演出する存在でした。これらは実用品であると同時に、美と権威を象徴する文化遺産でもあります。

– Miniature House -

ヴィクトリアルームには、英国の名作絵本を題材にした特別なミニチュアハウスが展示されています。これらは、BAMのために職人が精緻に製作した一点物で、それぞれの物語の初版本を台座に据え、その上に小さな世界が立ち上がる独自の作品です。名探偵が活躍する『シャーロック・ホームズ』をはじめ、『ピーターラビット』、『不思議の国のアリス』、『メリー・ポピンズ』、『パディントン』や『クマのプーさん』など、本の扉を開いた瞬間に物語の世界へ誘うかのように再現されています。アンティークと並ぶ展示として、文学と工芸が融合した新たな魅力をお楽しみください。

英国アンティーク博物館BAM鎌倉 館長 土橋 正臣
館長 土橋 正臣
Director: Masaomi Dobashi

英国アンティーク博物館BAM鎌倉、館長の土橋です。当館4階のヴィクトリアンルームでは、19世紀に花開いた英国の華やかな暮らしと美意識を、当時のアンティーク家具や調度品を通してご覧いただけます。セティやシフォニア、曲線美を誇るキドニーテーブルや実用的なサザーランドテーブル、暖炉やマホガニーのキャビネットなどが並び、室内空間を豊かに演出します。さらに巨大な蓄音機やピアノといった楽器、精巧なミニチュアハウスや陶磁器も展示され、ヴィクトリア時代の生活文化を体感いただけます。ぜひ鎌倉にて、英国アンティークが語る時代の息吹に触れ、優雅なひとときをお過ごしください。

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