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鎌倉

「Hello 鎌倉」その5. 武家の願いと慈悲の光が重なる極楽寺(ガイド協会 × BAM鎌倉)

【こちらのブログは英国アンティーク博物館と鎌倉ガイド協会がコラボして作成します。】

 鎌倉ガイド協会は源頼朝が鎌倉の地に幕府を開いてからの歴史を基に、寺社や史跡の数々を多くの方々にご案内しております。三方を山に囲まれ、一方を海に開いた古都鎌倉。歴史散歩、寺社めぐり、ハイキング、季節の花観賞、マリンスポーツ、旬の鎌倉野菜やシラス等地元食材を使ったグルメ。四季を通じて多くの方々に愛される鎌倉ですが、鎌倉をよりお楽しみいただけるよう、「Hello 鎌倉」その5として鎌倉ガイド協会が今月引き続きご紹介するのは、鎌倉ドラマでもお馴染み、江ノ電極楽寺駅からほど近くの、武家の願いと慈悲の光が重なる極楽寺です。

 鎌倉駅から江ノ電に乗り、長谷駅を過ぎるとトンネルがあります。このトンネルを抜けると極楽寺駅ですが、映画の暗転のように、ちょっと不思議な感覚に捉われます。極楽という言葉に無意識に反応してしまうせいかもしれません。極楽寺駅は関東の駅百選に選ばれ、ドラマ『最後から二番目の恋』シリーズのロケ地にもなり、そのレトロ感が人気の駅です。

 極楽寺は江ノ電の線路を挟み極楽寺駅の反対側。桜橋を渡れば、極楽寺の山門前に着きます。桜橋からみる明治40年(1907)に竣工した煉瓦造りのトンネル(極楽洞)と江ノ電のコラボショットも人気があります。

 時代は鎌倉時代に溯りますが、極楽寺は北条重時(1198-1261)が忍性菩薩(1217-1303)と相談し、地獄谷といわれたこの地に建設を決めました。北条重時はその完成をみることなく亡くなりますが、北条重時の意思を子の北条長時、北条業時が継ぎ、造営を続けました。文永四年(1267)には忍性菩薩が極楽寺に入り、最盛期には七堂伽藍とたくさんの支院のある大寺院でした。

 今は茅葺の山門があり、その先には本堂まで参道が続きます。桜並木の参道で、桜の花が満開の時期になりますと多くの参拝客が訪れます。

 4月の仏生会の時を除いて一般の参拝客は本堂に上がることはできませんが、本堂には不動明王像、文殊菩薩像、薬師如像の三像と奥には興正菩薩叡尊像と忍性菩薩像。本堂の手前の宝物殿である転法輪殿には、厨子に納まる本尊の清凉寺式釈迦如来立像、十大弟子像、転法印を結ぶ釈迦如来坐像が安置されています。転法輪殿内の本尊は仏生会の時しか拝観できませんが、そのほかの仏像は春季・秋季の特別拝観時にも拝観できます。仏生会は4月8日のお釈迦様の誕生日のことで、お釈迦様を祀る寺では花祭りが行われます。

 転法輪殿の手前に千服茶臼と製薬鉢が置かれています。まさにこれが忍性菩薩の生涯を知るうえでの大切な遺物です。『忍性』の著者である松尾剛次氏は忍性菩薩を日本のマザー・テレサと位置付けています。生涯を通じて数万人の病人を手当てし、その命を救いました。特に不治の病といわれたハンセン病患者の救済は有名です。それ以外にも、寺院の修造、架橋、道の整備、井戸の掘削など、広く社会慈善事業に力を尽くしました。忍性菩薩の信仰は、釈迦信仰、文殊信仰、行基信仰、密教など多岐にわたりますが、これが礎になり、菩薩道が極められました。

今回の写真は4月8日花祭りの日を中心に写しました。掲載をお許しいただいた極楽寺様に感謝です。
 NPO法人鎌倉ガイド協会の5月の史跡めぐりのテーマは「新緑の極楽寺・七里ガ浜で歴史発見」。鎌倉にこのような偉大な人物がいたことを誇りに思い、ガイドさせていただきます。

 鎌倉ガイド協会は、月3コースの企画ガイド「史跡めぐり」をはじめとし、休日散歩、個別、学校、旅行社、英語ガイド等で、お客様に日本遺産のまち鎌倉と、歴史的に関係の深い神奈川県内の史跡をご案内しております。

鎌倉ガイド協会公式ホームページ:https://www.kcn-net.org/guide/

*ブログで使用しました画像については、極楽寺様の掲載許可をいただいています。