
【初心者迷子向け】ドラマ・映画の『シャーロック・ホームズ』どれから見る?3作品の違いと魅力をレビュー
「シャーロック・ホームズの映像作品を見てみたいけれど、種類が多すぎてどれから見ればいいかわからない……」
そんな風に迷っている「ホームズ初心者」のあなたへ。アーサー・コナン・ドイルが生み出した世界で最も有名な名探偵、シャーロック・ホームズは、19世紀末の誕生以来、数え切れないほど映画やドラマ化されてきました。いざ見ようと思っても、白黒のクラシックな映画から最新のスタイリッシュなドラマまで幅広く存在し、どれを選べばいいか途方に暮れてしまうのも無理はありません。
しかし、安心してください!現代において、「まずはこれを見ておけば間違いない」と世界中のファンが太鼓判を押す「3大名作」が存在します。
本記事では、ホームズ初心者に向けて、とびきり面白くて評価の高い【グラナダTV版(ドラマ)】【BBC版(ドラマ)】【2009年映画版】の3作品をピックアップ。それぞれの特徴、魅力、そして「どんな人におすすめなのか」を徹底的にレビューします。
これを読めば、今のあなたの気分にぴったりのシャーロック・ホームズが必ず見つかります!
そもそも、なぜホームズ作品はこんなにたくさんあるの?
レビューに入る前に、少しだけ前提をお話ししましょう。なぜシャーロック・ホームズの作品は、年代も国もバラバラにたくさん作られているのでしょうか?
それは、ホームズと相棒ジョン・ワトソンの「キャラクターとしての魅力」が圧倒的だからです。「天才的だが社会性に欠ける変人の探偵」と、「常識人で誠実な相棒」という組み合わせ(バディ感)は、時代や舞台を変えても面白さが色褪せません。
だからこそ、クリエイターたちは「自分なりの解釈でホームズを描きたい!」と情熱を燃やし、それぞれ全く異なるアプローチで映像化してきました。これからご紹介する3作品も、「時代設定」「ホームズの性格」「アクションの有無」などに決定的な違いがあります。
それぞれの「違い」を楽しみながら、あなたのお気に入りを見つけていきましょう。
目次
エントリーNo.1:【グラナダTV版】原作そのまま!ミステリーの王道を味わう「真のホームズ」
形式:テレビドラマ(1984年〜1994年放送)
主演:ジェレミー・ブレット
時代設定:19世紀後半のイギリス(ヴィクトリア朝)
どんな作品?
イギリスのグラナダTVという放送局が制作した、ホームズ映像化の歴史において「最高傑作」「正典」と讃えられる伝説的なドラマです。原作小説の舞台である19世紀末のロンドンを、時代考証やセット、衣装に至るまで徹底的にお金をかけて忠実に再現しています。
ここが魅力!
① 小説から抜け出してきた「ジェレミー・ブレット」の凄まじい演技 このドラマの最大の魅力は、なんといっても主演のジェレミー・ブレットの存在感です。彼は原作の連載当時に描かれていた挿絵(シドニー・パジェット画)に瓜二つと言われ、「本物が現れた!」と当時のファンを熱狂させました。 事件に出会ったときの子供のようにはしゃぐエネルギッシュな姿と、退屈してソファでぐったりしている陰気な姿という、天才特有の「二面性」を完璧に演じきっています。時折見せるチャーミングな笑顔や、鋭い視線に釘付けになること間違いなしです。
② クラシックで丁寧な本格ミステリー 原作のストーリーを大切にしながら、小説内にあった矛盾点などをドラマとして自然に楽しめるように上手くアレンジしています。ガス灯がぼんやりと輝くロンドンの霧深い街並み、馬車が走る石畳の音など、ヴィクトリア朝の雰囲気(世界観)にどっぷりと浸りながら、純粋な謎解きを楽しむことができます。
初心者のあなたへのおすすめ度:★★★★☆
「これぞシャーロック・ホームズ!」という、クラシックで伝統的な姿をまずは見ておきたい人に一番のおすすめです。1話完結型なので、「赤髪連盟」や「ボヘミアの醜聞」など、有名なエピソードからつまみ食いするように見ることもできます。派手な爆発やアクションよりも、じっくりと上質なミステリーを味わいたい夜にぴったりです。
エントリーNo.2:【BBC版『SHERLOCK』】スマホを駆使する天才!現代的でスタイリッシュな大ヒット作
形式:テレビドラマ(2010年〜放送)
主演:ベネディクト・カンバーバッチ
時代設定:21世紀の現代ロンドン
どんな作品?
「もしもシャーロック・ホームズが現代のロンドンに生きていたら?」という斬新なアイデアのもと、イギリスのBBCが制作して世界的な社会現象を巻き起こした大ヒットドラマです。ホームズは馬車の代わりにタクシーに乗り、電報の代わりにスマートフォンのGPSやネット検索を駆使して事件を解決します。ワトソンは事件の記録をノートではなく「ブログ」に執筆しています。
ここが魅力!
① 視覚的でスタイリッシュな映像演出 ホームズが現場を観察した際に頭に浮かんだ推理(手がかり)が、空中に文字(テキスト)として浮かび上がるという画期的なモーショングラフィック演出が採用されています。また、クイックモーションとスローモーションを巧みに使い分けたスピード感あふれる映像は、「天才の脳内」を覗き見しているような極上の爽快感を与えてくれます。
② 天才ゆえの孤独と、相棒とのエモーショナルな絆 ベネディクト・カンバーバッチ演じるホームズは、自らを「高機能社会不適合者(ソシオパス)」と名乗る、空気が読めない危険な変人です。一般人を馬鹿にしてばかりの彼ですが、アフガン戦争帰りで心に傷を負った純粋な常識人・ワトソン(マーティン・フリーマン)と出会い、バディとして行動を共にするうちに、少しずつ人間らしい「感情」や「仲間への絆」を学んでいきます。 緻密なミステリーとしての面白さに加え、二人の関係性の変化や、天才ゆえの孤独を描いた「人間ドラマ」としての深さが、多くのファンを虜にしています。
初心者のあなたへのおすすめ度:★★★★★
「現代の海外ドラマが好き」「テンポが良くてスタイリッシュなサスペンスを見たい」という人に全力でおすすめします。1シーズンにつき全3話(1話約90分)と映画のような構成になっており、イッキ見してしまうほどの没入感があります。原作の有名なエピソードが「現代風にどうアレンジされているか」という驚きに満ちた、極上のエンターテインメントです。
エントリーNo.3:【2009年映画版】肉体派でワイルド!ド派手なアクションと最高の友情
形式:映画(2009年公開)
主演:ロバート・ダウニー・Jr
時代設定:19世紀末の産業革命期のロンドン
どんな作品?
『スナッチ』などで知られるガイ・リッチー監督が、ハリウッドの大作映画として作り上げた全く新しいシャーロック・ホームズです。主演のロバート・ダウニー・Jrが演じるのは、「インテリな紳士」という従来のイメージをぶち壊す、だらしなくてワイルド、そして格闘技の達人という「肉体派・武闘派」のホームズです。
ここが魅力!
① 考えるより先に殴る!?「超・武闘派」の探偵 本作のホームズは、地下の格闘技場で大男と殴り合ったり、爆発の炎の中を駆け抜けたりと、とにかくよく動きます。しかし、ただの力任せではありません。「事前に相手の動きと弱点を脳内でシミュレーション(予測)し、数秒の間に急所を突いて完璧に倒す」という、頭脳派ならではのアクション演出が最高にクールです。推理要素はもちろんありますが、それ以上にスリリングな活劇として楽しめます。
② ワトソンとの「対等な最強バディ」と豪華な映像 ジュード・ロウ演じるワトソンは、ただホームズの後ろを付いて歩く助手ではありません。腕っぷしの強い元軍人の医師として、前線でホームズと背中合わせで戦う「最強の相棒」として描かれています。二人の軽快でコミカルな掛け合いは、見ていて思わずニヤニヤしてしまう楽しさがあります。 また、巨匠ハンス・ジマーが手がける躍動感あふれる音楽と、建設中のタワー・ブリッジなど当時のロンドンを描いた大スケールの映像美は、まさにハリウッド映画ならではの贅沢さです。
初心者のあなたへのおすすめ度:★★★★☆
「小難しいミステリーは苦手」「頭を空っぽにして、スカッと爽快なアクション映画を楽しみたい!」という人に最適です。ホームズの知識が全くなくても、一本のアクション・アドベンチャー大作として120%楽しめます。ヒロインのアイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)も、『ルパン三世』の峰不二子のような魔性の魅力があり、物語を華やかに彩っています。
結論:迷ったらこれ!あなたの「タイプ別」診断

ここまで3つの名作をご紹介しました。それぞれ全く違う魅力を持っているので、「どれが一番優れているか」を決めることはできません。 そこで最後に、あなたの好みに合わせた「タイプ別診断」をご用意しました!
【タイプA】「せっかくなら、ミステリー小説の古典的な雰囲気を忠実に味わいたい!」 ⇒ グラナダTV版
がおすすめです。19世紀のロンドンにタイムスリップし、これぞ「本物」と言われるジェレミー・ブレットのホームズの推理劇をじっくり堪能してください。
【タイプB】「テンポが良くて、伏線回収が凄い現代のサスペンスドラマにハマりたい!」 ⇒ BBCドラマ版『SHERLOCK』
がおすすめです。スマホを使いこなす天才ホームズとワトソンの、エモーショナルで深い絆の物語に、きっとあなたも夢中になるはずです。
【タイプC】「休日の夜に、ド派手なアクションとイケメンたちの熱い友情を見てスカッとしたい!」 ⇒ 2009年映画版
がおすすめです。ワイルドに暴れ回るロバート・ダウニー・Jrと、ジュード・ロウの最強コンビが繰り広げる痛快エンターテインメントを楽しんでください。
おわりに
世界一有名な名探偵、シャーロック・ホームズ。彼が100年以上も愛され続けている理由は、ミステリーとしての面白さはもちろん、彼自身が持つ「変人だけれど憎めない、人間としての圧倒的な魅力」にあります。
映像作品は、その時代や監督、そして演じる俳優によって、ホームズに全く新しい命を吹き込みます。どれから見始めても、必ず「面白い!」と思える名作ばかりです。
まずは直感で、あなたの心にピンと来た作品の再生ボタンを押してみてください。きっと、奥深い「シャーロック・ホームズの世界」から抜け出せなくなるはずです!
映像で魅了されたら、次は「鎌倉にある221B」へ──日本で叶うホームズ体験

ここまで3作品を紹介してきましたが、いざ映像を見はじめると、きっとこんな気持ちが湧いてくるはずです。「あの霧深いロンドンの空気を、自分の目で確かめてみたい」「ホームズが暮らしたベイカー街221Bって、実際どんな部屋なんだろう?」と。
そんなあなたにぜひ訪れてほしいのが、鶴岡八幡宮の参道沿いに建つ英国アンティーク博物館「BAM鎌倉」です。実はここ、わざわざロンドンまで行かなくても、ホームズの世界に飛び込める日本でも稀有なスポットなんです。
3階フロアには、原作小説をもとに忠実に再現された「シャーロック・ホームズの部屋」が広がります。すごいのは、暖炉やアームチェア、ヴァイオリン、パイプ、化学実験の器具に至るまで、その多くが100年以上前にヴィクトリア時代の人々が実際に使っていた”本物”のアンティークだということ。再現にあたってはロンドンのシャーロック・ホームズ博物館やホームズ研究家の助言も受けており、居間・書斎・寝室まで、まるで物語の中へ迷い込んだような臨場感が味わえます。
グラナダTV版で堪能できるクラシックな空気も、BBC版や映画版の”原点”であるヴィクトリア朝の世界観も、ここでは空間まるごと体感できます。映像で火がついた興奮を、ぜひ現地で確かめてみてください。