
【地元鎌倉の学生へ教育貢献プロジェクトが始動】学生の皆様をご招待!次世代へ繋ぐ歴史のバトン〜BAM鎌倉が贈る、本物のアンティークを通じた学び〜

英国アンティーク博物館BAM鎌倉では、地元鎌倉への地域貢献活動の一環として、次世代を担う若い学生の方々に歴史や文化に直接触れていただくための新しい取り組みを開始しました。見学会に込めた当館の想いやコンセプト、体験内容をご案内いたします。
目次
BAM鎌倉での体験を通して、学生の皆さんに伝えたいこと

地元の学生をご招待する背景には、未来を担う子どもたちへ向けた強い願いがあります。現代はインターネットを通じてあらゆる情報が手に入る時代です。しかし、100年以上の時を超えてきた「英国アンティーク」が放つ本当の魅力は、画面越しでは決して伝わりません。博物館という非日常の空間で、教科書の中の歴史が「実物」として目の前に現れる体験は、学生たちの豊かな感性と想像力を大いに刺激します。また、アンティークの最大の魅力は、「人から人へ、モノと想いが引き継がれていく」ことです。ひとつのモノが作られ、大切に使われ、時代を超えて次の誰かの手へと渡っていく。その過程で引き継がれるのは、決して単なる「物」だけではありません。当時の文化や美しいデザイン、そして関わった人々の物語といった多くのものが受け継がれ、過去から現代、未来へと繋がり、さらに発展していくのです。その歴史のバトンを、ぜひ地元の学生に肌で感じていただきたく、鎌倉市にある多くの学校の歴史学習の場としてご活用いただきたいと願っております。
土橋館長による特別ガイド

見学会当日は、BAM鎌倉の土橋館長が特別ガイドとして館内をご案内しました。なぜこの鎌倉の地に英国アンティークの博物館を設立したのか、また、鎌倉と英国の歴史、繋がりなど、普段は聞けない秘密も特別にお話ししました。
鎌倉と英国の繋がりとは?
建築家・隈研吾氏が設計した立礼式茶室「惹採庵(じゃくさいあん)」

BAM鎌倉4Fヴィクトリアンルームのフロアには、建築家・隈研吾氏が設計した立礼式茶室「惹採庵(じゃくさいあん)」があります。この空間には、発掘調査で見つかった北条小町邸の遺構(段葛と邸宅を結んでいた橋の土台角材)が壁の装飾として組み込まれ、歴史の記憶を現代に伝えています。さらに床材には、同時代の英国マナーハウスで実際に用いられていたオーク材が敷かれ、鎌倉時代と中世英国が時空を超えて響き合います。
また、この立礼式茶室にはある対比の意味も込められています。隈研吾氏が2018年に設計を手掛けたスコットランドのデザインミュージアム「V&A Dundee」には、建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュ(スコットランド)が日本の建築デザインに影響を受けて造ったティールームが再現されており、そのデザインはまさに日本そのものです。スコットランドの地で再現された「日本」と、ここ鎌倉で表現された「日英の融合」。惹採庵は、そのような鮮やかな対比のメッセージも内包しています。
日本初!ナショナル・トラスト発祥の地「鎌倉」

窓から見える鶴岡八幡宮の裏山(御谷の森)の豊かな自然は、英国で発祥した「ナショナル・トラスト運動」によって宅地開発の手から守られた歴史を持っています。英国のナショナル・トラストといえば、『ピーターラビット』の作者であるビアトリクス・ポターが、絵本の収益で湖水地方の土地を買い取り、美しい自然を守り抜いたエピソードが有名です。その英国生まれの自然保護の精神は海を越え、ここ鎌倉にも根付きました。御谷の森が開発の危機に瀕した際、ナショナルトラスト運動が初めて日本に持ち込まれ、市民たちが自ら資金を出し合って土地を買い取って守られたのです。ここ鎌倉は、日本のナショナル・トラスト運動発祥の地となったのです。英国の自然保護の精神が、遠く離れた古都鎌倉の裏山を守ったという運命的な深い繋がりがあります。
市民の熱意が国を動かし、京都や奈良へ
鎌倉市民による画期的な保全活動は、日本の景観保護の歴史を大きく変えることになります。
1966年「古都保存法」の制定: 御谷の森を守る運動が国をも動かし、1966年に「古都保存法」という法律が制定されるに至りました。
歴史的風土保存区域の指定: この法律によって「歴史的風土保存区域」が指定されるようになり、歴史的な建造物と周囲の自然環境を一体として守る強固な枠組みができました。
全国への波及: この鎌倉での大きな一歩は、その後、日本の歴史と文化を牽引してきた京都や奈良の景観保存にも繋がっていくことになります。
鎌倉風致保存会の活動と現代へと受け継がれる自然保護のバトン
自然を愛し守る精神は決して過去の出来事ではありません。
現代においても、鎌倉風致保存会が継続して森の手入れや保全活動を行うことによって、鎌倉の美しい自然と景観は今日まで大切に守られ続けています。ポターが湖水地方の自然を未来へ残したように、鎌倉の人々もまた、自分たちの街の風景を次世代へと繋いでいるのです。
茶室からその景色を実際に眺めることで、自分たちが住む街の歴史を、より広い視点から見つめ直すことができます。英国のアンティークと鎌倉の自然。一見すると異なる二つの文化が「大切なものを未来へ残す」という一つの志で結びついていることを実感できる特別な空間になっています。
🔻鎌倉風致保存会公式ホームページ🔻
https://userweb.www.fsinet.or.jp/fuhchi/
世界的建築家・隈研吾氏が手掛けた「鎌倉彫」の建築デザイン
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当館の設計は、世界的な建築家である隈研吾氏に手掛けていただきました。特徴的な建物の外観は、鎌倉の伝統工芸である「鎌倉彫」をモチーフにしており、最新のテクノロジーを駆使して木を立体的に彫り上げた「Old&New」がテーマになっています。

隈研吾氏は学生時代を鎌倉の「栄光学園」で過ごされており、この鎌倉の地に対する深い思い入れが、この建築デザインにも反映されているのです。また、アンティークとは後世に引き継がれていく意味もあるので、地元鎌倉市に根付いたデザインが採用されました。
英国建築界との深い繋がりーV&Aダンディからナショナル・ギャラリーへ

隈研吾氏と英国には深い繋がりがあります。隈氏はヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム(ロンドン)の分館「V&Aダンディ(スコットランド)」の建築デザインを手掛けたことでも世界的に知られており、さらに2026年4月に、ロンドンの「ナショナル・ギャラリー」の建築プロジェクトにも選ばれました。英国建築界でも高く評価される隈氏が、青春時代を過ごした鎌倉で手掛けたこの空間は、まさに鎌倉と英国の架け橋と言えます。学生たちにも、世界で活躍する建築家の息吹を肌で感じていただけます。
教科書を飛び出して!アンティークから学ぶ「生きた英国史」

館内では、階を上がるごとに時代が進むように展示が構成されており、学生たちはまるで英国の歴史を旅するような体験ができます。

時代を超えて愛される品々に込められた物語を、土橋館長の熱い想いとともにお話しさせていただきます。
ジョージアンルーム:18世紀の優雅な貴族文化に触れる

館内へお入りいただくと、華やかで美しいアンティークの世界に包まれます。まずは18世紀、ジョージ王朝時代の「ジョージアンルーム」へ。マホガニー材を使った美しい家具や、当時の貴族たちの優雅なティータイムを彩った銀食器の数々。ただ美しい品々を眺めるだけでなく、当時の英国貴族の生活様式や文化背景について解説します。

アンティークという実物を通して「生きた英国史」を学ぶ、まさに貴重な時間です。

<製作年 19世紀:ヴィクトリアンティーケトル>
華麗な薔薇やリーフ模様とともにスクロールで構成された、ヴィクトリアンロココスタイルのデザインが特徴。これは、アルコールを燃やしてお湯を沸かす、やかんの一種(ケトル)。銀でできたケトルは、当時、貴族のお茶会で使われていました。

<製作年 1815年:ジョージアンハープ>
ジョージアン時代は、音楽がサロンや家庭に欠かせない文化として浸透し、教養や社交の象徴とされました。
シャーロック・ホームズの世界と、時代を巡るアンティーク

当館一番の見どころは、世界中を魅了し続ける「シャーロック・ホームズの部屋」を再現したフロアです。

アーサー・コナン・ドイルが描いた名探偵の世界観が、ヴィクトリア時代の本物のアンティークを用いて忠実に再現されています。

当時の肘掛け椅子や愛用のバイオリン、科学器具といった本物のアンティークたち。一歩足を踏み入れれば、そこは文学とリアルな歴史が交差するシャーロック・ホームズの奥深い世界です。19世紀末のロンドンの空気感を肌で感じながら、物語を入口とした新しい学びの旅へ皆様をお連れします。

<シャーロック・ホームズの初版本>
館内には、シャーロック・ホームズ・シリーズの初版本が全て揃っています。

<製作年 19世紀:ガソジン>
当時のソーダ水製造機。物語の中で、ホームズが相棒のワトソンに炭酸水入りのお酒を勧めるシーンで、この「ガソジン」が登場しています。
ヴィクトリアンルーム:大英帝国の繁栄と当時の職人技を体感

4階の「ヴィクトリアンルーム(19世紀)」は産業革命を経て大英帝国が最も繁栄した黄金期の息吹を感じるフロア。装飾が華やかになり、精巧な彫刻が施された重厚な家具や絵画、美しいティーカップ、巨大蓄音機などが並びます。

時代の変遷とともにデザインや技術がどのように発展していったのかを実物で比較しながら学べるのは、当館ならではの体験です。

さらに、特別な体験をご用意いたします。それは、100年以上前の巨大蓄音機が奏でる「本物の音」を聴くことです。スマートフォンでいつでも簡単にデジタル音楽を聴くことができる現代の学生たちにとって、手回しでゼンマイを巻き、針を落として響き渡るアナログの深く温かい音色は、非常に新鮮で感動的な体験です。

<製作年:1935年 巨大蓄音機>
一際目を引く巨大なラッパ。開口部の直径は 93cm。正式名称は「エキスパート・シニア with オール・レンジ・ホーン」。イギリス製。本機を製作したエキスパート社は、1930 年にイギリス人のエリス・マイケル・ギンによってロンドンに設立されたハンドメイド蓄音機メーカーであり、蓄音機のロールスロイスとも言われています。

< 製作年:19世紀 ピアノ (英国王室御用達 ジョン・ブロードウッド & サンズ) >
ベートーヴェン も愛用していた 高級ピアノメーカー、英国王室御用達ジョン・ブロードウッド & サンズ(John broad wood & sons)の貴重なコレクション。細部にこだわった装飾、ウォールナットやローズウッドの高級木材で丁寧に作られた芸術品。上部、左右にあるろうそく台も、時代を感じさせます。
BAM鎌倉は北条小町邸跡地だった。

<BAM鎌倉エントランスに設置された記念碑>
3年にわたる大規模な発掘調査の末、BAM鎌倉の建つ土地は、鎌倉幕府の重要人物である北条泰時と、その孫・時頼の邸宅「北条小町邸跡」であったことが、鎌倉市より正式な発表がありました。
🔻鎌倉の発掘調査で判明! 英国アンティーク博物館の土地が「北条小町邸」跡だった🔻
https://www.bam-kamakura.com/event/3311
次世代へ「人を引き継ぎ、物を引き継ぐ」大切さを

アンティークが持つ最大の魅力は、「人を引き継ぎ、物を引き継ぐ」ということです。ひとつの物が作られ、大切に使われ、時代を超えて次の誰かの手へと渡っていく。そこには人々の想いや歴史のバトンタッチが存在します。
熱心に展示物を見つめ、真剣な眼差しでメモを取ったり、楽しそうにスマートフォンのカメラを向けたり、学生の皆様が、それぞれの形で楽しみながら、学びの場となりますことを心より願っております。
おわりに:今後の教育機関との連携に向けた展望
この特別なミュージアムツアーを通じて、鎌倉と英国の繋がり、アンティークの持つメッセージと歴史が、少しでも学生の皆様の心に届き、未来への豊かな糧となればこれ以上の喜びはありません。この見学会を地元鎌倉への地域貢献活動の第一歩として、これからも次世代を担う若い学生の皆様に「本物の歴史」に触れる機会を届けていきたいと思っております。市内の他の学校様にも課外授業や歴史・異文化学習の場として当館をご活用いただけるよう、積極的な受け入れを進めていく展望です。これからも地域との繋がりを大切にしながら、より多くの学生の皆様にアンティークの素晴らしい世界と学びを提供してまいります。教育関係者の皆様、そして次なる学生の皆様のご来館を、スタッフ一同心よりお待ちしております。
開催実績

【第一回】北鎌倉女子学園高校の皆様にご来館いただきました。
普段とは違った異空間で本物のアンティークを前に、生徒の皆様が熱心にメモや写真を撮られる姿がとても印象的でした。非日常を味わいながらご満足いただける、充実した学びの場をご提供できたことを大変嬉しく思います。
🔻北鎌倉女子学園 公式ホームページ🔻
地元鎌倉の学生の皆様に向けた、教育支援プロジェクトに関するお問い合わせ
英語アンティーク博物館BAM鎌倉
Tel.0467-84-8689
Mail.info@kamakura-uk.com
※鎌倉市以外の学生の皆様には、団体割引きでの受け入れも可能です。メールにてお問い合わせください。